近年、フルローンで購入した新居のローン返済と並行して売却活動をする人が増えていますが、「居住中物件ではなかなか買い手がつかない」と悩む声も聞かれます。
しかし、居住中だからこそできる売却戦略もあり、コツをおさえれば十分売却可能です。
本記事では、居住中物件が売れにくい2025年最新の理由と具体的な対策を解説します。
目次
居住中物件が売れない理由と対策
居住中物件には、空室物件に比べて売れにくくなる原因がいくつかあります。
例えば、内覧希望者が来ても売主の都合に合わせなければならないため内覧機会が限られたり、生活用品が置かれて実際より狭く見えることがあります。こうした要因が重なると問い合わせや内覧が減り、「売れない」と感じる原因となります。
一方で、原因がわかれば対策を打つことが可能です。まずは主な要因を把握し、そのうえで下記のような工夫や準備を進めていきましょう。
内覧対応の負担
居住中物件では、内覧時に売主が立ち会わなければならない場合が多く、売主のスケジュール調整が必要です。空室物件なら鍵を預けておけば自由に内覧できますが、居住中は「日中は仕事を休む」「子どもの預け先を探す」など追加の負担が発生します。このように内覧までの段取りが煩雑だと、相場より売却期間が長引く原因になります。
家具・生活感で印象が下がる
居住中の部屋には家具や家電が置かれているため、どうしても実際より狭く見えがちです。生活感のある小物やカーテン等が目に入ると、購入希望者が自分のライフスタイルをイメージしにくくなる場合もあります。
結果として空室よりも「狭そう」「片付けられていない」という印象を持たれる可能性が高まります。
価格設定のミス
売却価格が相場より高く設定されていると、居住中ではなおさら問い合わせが増えません。所有物件への愛着や思い入れから相場より高めに値付けしてしまう売主は少なくありません。売却開始から早期の1ヶ月間(ゴールデンタイム)に適切な価格を付けないと、その後大幅値下げしても「問題があるのでは」と敬遠されることがあります。
内覧希望者の遠慮
居住中物件は、内覧する側も「わざわざ生活中の家に押しかけていいのか」と遠慮することがあります。特に予定が未定の段階で売主に負担をかけたくないと感じる人がいると、内覧予約自体が減少します。内覧希望者数が減ると自然と買い手がつきにくくなるため、売却までの時間が延びてしまうのです。
居住中物件を売るメリット・デメリット
居住中の売却にはデメリットばかりでなく、メリットもあります。両者を理解して売却計画に生かすことが大切です。主なメリットとデメリットを整理しておきましょう。
居住中売却のメリット
居住中売却のメリットには次のような点があります。
- 住宅ローンの二重負担を避けられる:新居購入と重複せず資金計画が立てやすい
- 売却期間中も生活の拠点を維持できる:転居先を決めた上で引っ越しが可能
- 物件の良さを直接アピールできる:風通しや日当たり、隣人関係などを自ら説明できる
居住中売却のデメリット
一方、居住中物件ならではのデメリットは以下の通りです。
- 内覧前の掃除や整理整頓が必要:隅々まで清潔に保つための手間がかかる
- 家具や個人の持ち物で部屋が狭く見えやすい:見栄えの点でどうしても空室に劣る
- 急な内覧依頼にも対応が必要:仕事や予定の都合をつける負担が常にある
空室物件と居住中物件の違い
居住中物件と空室物件では、売却時の状況に以下のような違いがあります。
| 項目 | 居住中物件 | 空室物件 |
|---|---|---|
| 内覧対応 | 売主立ち会いが必要で調整負担が大きい | 鍵を預けて自由に内覧可能 |
| 部屋の印象 | 家具や私物で狭く感じられる | 広くすっきりと見える |
| 価格設定 | 売却資金の確保を優先し慎重な判断が必要 | 比較的自由に価格を調整しやすい |
| 新居への移転 | 売却後に新居へ引っ越し準備ができる | 仮住まい費用が発生する場合もある |
内覧の手間と機会の違い
空室物件は鍵を預けるだけで不動産会社が自由に内覧をセッティングできますが、居住中物件では売主の予定調整が必要で内覧チャンネルが限定されます。特に人気エリアでは即日内覧希望も多く、対応できないと機会損失につながります。
部屋の印象の違い
居住中物件には家具や生活用品があるので、どうしても部屋が狭く感じられます。外観や共用部は同じでも室内の印象で敬遠されてしまうことがあるため、これらをできるだけクリアに見せる工夫が重要です。
価格と資金計画の違い
居住中物件は「売れたらすぐに新居購入」という資金計画を立てやすい反面、売主の心理的に価格を下げにくい面があります。空室の場合は購入を急ぐ売主も多く、相場より低めに設定して短期決着を狙うことができます。
売れないときの具体的な対策
上記のように居住中ならではの課題があって売れないと感じた場合は、早めに対策を検討しましょう。次の具体策を参考に、売却活動を工夫してみてください。
適正価格の再設定
まず売り出し価格を見直します。近隣の同種物件の成約事例や市場相場を再確認し、相場より大幅に高くなっていないかチェックしましょう。早期決着を目指す場合は、積極的な値下げも検討します。価格を適正に調整することで、内覧希望者が急増することもあります。
ホームステージングや掃除の徹底
物件の見栄えを良くする努力も有効です。不要な家具や私物を撤去し、必要に応じてクロスの張替えや簡易リフォームを行いましょう。床のワックスがけやキッチン・浴室の水回り掃除など清潔を徹底すると、内覧者に好印象を与えやすくなります。
オンライン内覧ツールの活用
2025年現在、オンライン内覧やVRツアーは広く普及しています。居住中でも360度カメラやビデオで部屋の様子を撮影し、遠方の買い手にも物件を案内できます。多忙で内覧に来られない人はオンラインでチェックしてから訪問するため、問い合わせ数増加につながります。
写真や広告の質の向上
物件広告の写真は第一印象を左右します。居住中でも明るい時間帯に撮影し、背景に生活感が出ないよう整理整頓しておきましょう。写真を10枚以上掲載するだけで反響が増えるデータもあるため、多めの魅力的な写真を用意し、間取り図や設備情報とともに掲載することが効果的です。
不動産会社への相談
売却が思うように進まないときは、不動産会社と相談して戦略を練り直します。まずは複数の会社に査定依頼して適正価格を確認し、担当者の経験や販売力を比較検討して信頼できる業者を選びましょう。
内覧時に好印象を与えるポイント
内覧中の印象が良ければ、居住中物件でも成約率が上がります。ここでは内覧時に心がけたいポイントを紹介します。
徹底した整理整頓と清掃
内覧前は不要な私物を片付けて部屋を整理整頓し、床や水回りを丁寧に清掃しましょう。壁や床の小さな傷は補修し、全体に清潔感を演出すると、購入者に好印象を与えやすくなります。
照明・演出で快適な空間づくり
自然光の入る時間帯に内覧を設定し、照明は明るめにして部屋を広く見せましょう。家具の配置は動線を確保し、抜け感を演出します。季節感のあるカーテンや観葉植物を置くなど、温かみのあるインテリアで居住空間の魅力を高めましょう。
来訪者への配慮と対応
売主が案内する場合は、無理に売り込まないことが大切です。購入希望者の質問には丁寧かつ率直に答え、過度なセールストークは控えましょう。セキュリティ面では、玄関先や建物外への案内時に周囲をしっかり確認し、安心して見学してもらえるよう配慮します。
信頼できる不動産会社選びのポイント
最後に、売却を成功させるための不動産会社の選択について解説します。居住中物件の売却では特に、担当者の対応力が成否を分けます。
複数社への査定依頼
まず査定は複数社に依頼しましょう。複数の会社から見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。また、各社の売却計画や手数料を比較検討することで、自分に合った業者を見つけやすくなります。
担当者の経験と対応力
査定を依頼した際、担当者の提案や説明の丁寧さもチェックポイントです。特に自身の物件と同じエリア・タイプの取り扱い実績が豊富かどうかを確認しましょう。また、内覧日程の調整や交渉時の対応など、売主に寄り添ったコミュニケーションが取れる担当者が望ましいです。
媒介契約の種類と特徴
仲介契約は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。それぞれレインズ登録義務や広告活動の自由度、契約会社数などが異なります。たとえば専任媒介では、レインズ登録が必須で進捗報告も受け取れますが、同時に他社と契約できない制約があります。信頼できる会社と相談し、状況に合った契約形態を選びましょう。
まとめ
居住中物件は空室物件に比べて確かに売却に手間取ることがありますが、売れないわけではありません。
まずは内覧時の印象や価格設定など、売れない原因を正しく把握し、清掃・整理や適正価格設定など具体的な対策を講じることが大切です。また、不動産会社も販売力や対応力で大きく差が出ます。複数社の意見を参考にして信頼できる担当者を見つけましょう。
これらの対策を実践すれば、居住中でも買い手をつかみやすくなります。前向きに工夫を重ね、最新の市場動向を意識しながら売却活動を進めてください。
居住中物件の売却では、「生活しながら売る」メリットを活かしつつ、デメリットをカバーする工夫がポイントです。
売り主としての情報提供や内覧対応の細やかさが買い手の安心につながるため、信頼を得る姿勢を大事にしましょう。
これらのポイントを踏まえ、賢く対策を講じれば、居住中物件でもスムーズに売却を進めることができます。