マンションを所有しているが空き家のまま…と悩んでいる方が増えています。空き家マンションは維持費や固定資産税の負担が増えるだけでなく、物件価値の低下リスクもあります。
本記事では、2025年最新の法改正情報も交えつつ、空き家となったマンション売却の流れや注意点をわかりやすく解説します。高く売るためのポイントも紹介します。
適切な準備と対策で失敗しない売却を目指しましょう。
空き家をスムーズにマンション売却する流れ
マンションを売却する一般的な流れは、査定から売却活動、契約締結、物件引渡しまで順を追って進めます。空き家状態のマンションの場合、居住者の引越しを待たずに内覧できるなど、手続きがスムーズになるメリットがあります。本項目では、まず査定依頼から売却の準備を解説し、その後の内覧対応・契約までのステップを順を追って説明します。
査定で売却相場を把握する
最初に価格の査定を依頼し、物件の相場を把握しましょう。空き家となったマンションでも、周辺の成約事例や築年数、広さからおおよその売却価格が算出できます。複数の不動産会社に机上査定または訪問査定を依頼し、査定額を比較することで、自分でも納得できる売却価格の目安がわかります。登記簿謄本や管理費の領収書など必要書類を事前に用意しておくと、スムーズに査定が進みます。
信頼できる不動産会社選びと媒介契約の締結
査定が終わったら、信頼できる不動産会社を選び、売却を依頼して媒介契約を結びます。売却を依頼する会社は過去の実績や地域知識、対応力などを比較して選びましょう。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれ手続きの範囲や義務が異なります。自分の売却時期やスケジュールに合った契約形態を選ぶことが大切です。
契約締結後は、最終的な売り出し価格を決定し、不動産情報サイトやチラシを活用して物件を広く公開します。空き家のマンションはいつでも内覧できるため、購入希望者からの問い合わせには柔軟に対応しましょう。販売戦略としては写真を多く掲載したり、休日に内覧会を開催するなど、注目を集める工夫も効果的です。
販売活動の開始と内覧準備
売却活動では、あらかじめ決めた売り出し価格に基づいて買主探しを行います。インターネットの不動産サイトやチラシ、SNSを活用して物件情報を宣伝し、内覧希望者を募ります。空き家の場合、室内に誰も住んでいないので内覧日程の調整が容易です。来訪者がリラックスして物件を確認できるよう、清掃を徹底して換気し、照明も適度に点灯しておきましょう。
なお、長期間放置された空き部屋は夏場に湿気がこもったり、冬場に結露が発生しやすくなります。内覧前にはエアコンを動かして十分に室内を換気し、カビ臭や古い空気が残らないよう注意しましょう。キッチンや浴室などの水回りは排水も行って悪臭対策をし、ゴミや不要品が残っていないかもチェックしておきます。
購入希望者との交渉と契約締結
購入希望者が見つかったら、売買価格や引渡し時期などの条件交渉に入ります。複数の買主がいる場合は価格競争を促しましょう。交渉がまとまったら売買契約書を作成し、重要事項説明を受けた上で契約を締結します。空き家のマンションなら、引越しを待たずに決済日を設定できるので、タイミングの調整がしやすい点がメリットです。
契約後は、契約書の内容に沿って手続きを進めます。抵当権が残っている場合は抹消手続きを行い、住宅ローンがあるなら一括返済の準備も必要です。また、電気・水道・ガスの停止手続きや管理組合への退去通知をあらかじめ準備し、決済日までに完了しておくと安心です。
決済・物件引渡しまでの流れ
決済日には金融機関で残代金の受領と売主負担分の手数料支払いを行います。司法書士立会いのもとで所有権移転登記を実施し、同時に仲介手数料や印紙税、登録免許税などを支払います。買主への鍵渡しや必要書類の引き渡しが終われば売却手続きは完了です。
空き家マンションの場合、物件に荷物が残っていないため決済から引渡しまでスピーディに進められます。買主から全額を受領し次第、管理組合への名義変更と居住登録の手続きを行います。これにより所有権と管理費負担の移転が完了し、空き家売却の一連の流れが終了します。
空き家のマンションを売却する際の注意点
空き家となったマンションを売却する際は、一般的な売却手続きに加えて室内の維持管理にも気を配る必要があります。掃除や換気を怠ると物件の印象が悪くなるだけでなく、湿気がこもることで劣化が進みやすくなります。さらに固定資産税や管理費といった費用は所有者負担で払い続ける必要があるため、これらも事前に把握しておきましょう。以下では、空き家マンション売却で特に留意すべきポイントを解説します。
室内の清掃と換気を徹底する
長期間空き家のままにしていると室内にホコリやカビがたまりやすくなります。内覧前には徹底的に掃除を行い、窓を開けてしっかり換気しましょう。家具がない場合でも、モデルルームのように最低限の家具や小物を配置して生活イメージを演出することが効果的です。臭いが気になる場合は消臭剤の使用やプロのクリーニングも検討し、内覧者に好印象を与える環境を整えておくことが重要です。
修繕が必要な箇所を事前に確認する
内覧では物件全体がチェックされるため、修繕が必要な箇所は事前に確認しておきましょう。エアコンや水回りの設備に不具合がないか、設備の古さが著しくないかを点検し、壁紙の破れやフローリングの傷みなど目立つ箇所は簡易修繕・補修を行っておくと良いでしょう。大がかりな工事はコストがかかりますが、基本的な補修を済ませることで買主に安心感を与えられます。
税金・特例制度を確認する
空き家売却に伴っては譲渡所得税が課税されますが、特例控除を活用できる場合があります。居住用のマンションを売却する場合は「3,000万円特別控除」や「10年超所有特例」を適用できる可能性があります。ただし、相続で取得したマンションの場合、上記の控除には適用条件があるため不動産会社や税務専門家に相談しましょう。例えば、相続物件の3,000万円控除は戸建住宅専用であるため、マンション売却では併用できない場合があります。
諸費用の負担を把握しておく
マンション売却では仲介手数料や登記費用、印紙税などさまざまな諸費用がかかります。仲介手数料は一般的に売却価格の3%+6万円(税抜)が相場です。その他、抵当権抹消登記の登録免許税や住宅ローン返済の手数料、引っ越し費用なども負担する必要があります。空き家特有の費用としては、内覧前のクリーニング費用や家具搬出費用などが増える可能性があります。これら費用は売却金額から差し引いた手取り額を大きく左右するため、事前に見積もって計画しておきましょう。
空き家マンション売却にかかる費用と税金
マンションを売却する際には、譲渡所得税や固定資産税、仲介手数料などの費用が必要になります。これらの費用をあらかじめ把握しておくことで、売却価格との差し引き後の収支を明確にしておけます。本項では、空き家マンション売却に伴う主な税金と負担すべき費用について解説します。
譲渡所得税の特別控除
空き家マンションを売却して利益が出た場合、譲渡所得税が課税されます。しかし、自己居住用の住居であれば「3,000万円の特別控除」を利用できる場合があります。さらに、所有期間が10年超の長期譲渡所得には軽減税率が適用され、税負担を軽くできます。注意点として、相続により取得したマンションの場合、上記の控除には適用条件があるため不動産会社や税務専門家に相談しましょう。
固定資産税・都市計画税の負担
空き家のマンションは所有し続ける限り固定資産税と都市計画税が課されます。特に空き家のまま放置すると、2023年の法改正で新設された「管理不全空き家」に該当し、住宅用地軽減の適用が外れるリスクがあります。また、空き家を解体して土地として売却する場合には固定資産税が6倍になる可能性があるため、売却時期によっては所有し続ける税負担と解体後の税負担を比較検討する必要があります。
仲介手数料などの諸費用
不動産売却に際しては、仲介手数料や登記費用、印紙税などの諸費用が発生します。仲介手数料は通常、売却価格のおよそ3%+6万円(税別)が上限です。抵当権抹消登記の登録免許税や契約書の印紙代、さらに空き家の場合には退去後の清掃費用やハウスクリーニング費用も考慮が必要です。これら費用は売却価格から差し引いた手取り総額に大きく影響するため、事前に見積っておくことが重要です。
空き家マンションを高く売るためのポイント
空き家マンションでも事前の準備と工夫次第でより高値で売却できます。本項では、物件の魅力を高めるためにできることや、信頼できる販売パートナーの選び方、販売時期の調整など、高く売るためのポイントを解説します。
室内を綺麗にして第一印象を良くする
空き家売却では最初の印象が重要です。徹底した清掃でホコリや汚れを取り除き、窓を開けて十分に換気をしましょう。家具がない場合は生活イメージがわかるようモデルルームのように最低限の家具を配置するのも効果的です。照明を点けて明るさを保つことも、内覧者に良い印象を与えるポイントです。
必要に応じてリフォームや修繕を行う
予算に余裕があれば、古くなった設備や内装をリフォーム・修繕しておくと高値売却につながります。たとえば、壁紙やクロスの張替え、浴室やキッチン設備の簡易クリーニングなど、見た目が古く見えるポイントを改善することで物件の魅力が高まります。ただし、リフォーム費用が過度にならないよう、不動産会社と相談して費用対効果を見極めましょう。
周辺相場を調べて適正価格を設定する
売り出し価格は周辺の相場と競合物件を参考に慎重に設定します。他の売り出し物件と比べて価格を少し低めに設定すると、早期に買主の関心を集める効果があります。過去の売却事例やレインズなどを活用してエリア相場を調査し、反響を得られやすい価格帯を探りましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
担当する不動産会社や担当者の選び方も成約価格に影響します。空き家売却に慣れたベテラン担当者や、売却力のある会社を複数社比較して選ぶと安心です。コミュニケーションの取りやすさや報告頻度、広告展開力なども確認ポイントです。実績や評判を確認した上で提案内容が優れている会社を選び、売却活動を任せましょう。
販売時期を検討する
売却のタイミングを見極めることも大切です。引越しシーズン(春・秋)は需要が増える傾向にあるため、この時期を狙うとよいでしょう。また、複数の買主に競争させるために広告掲載期間を適度に調整したり、条件交渉の余地を持たせておくことも有効です。適切なタイミングで市場に出すことで、より良い条件で売却できる可能性が高まります。
まとめ
空き家のマンション売却では、準備と戦略が成功の鍵となります。査定で適正価格を把握し、信頼できる不動産会社を選んで媒介契約を結びましょう。空き家のメリットである内覧のしやすさを活かしつつ、室内清掃や必要な修繕を行い、魅力的な条件で売り出すことが重要です。また、3,000万円控除など税制の特例や諸費用も事前に確認し、トータルで納得のいく売却を目指しましょう。
空き家のままでは負担が増す一方です。早めに売却活動を始め、複数社の査定を比較して最適な売却方法を選択してください。この記事で紹介した注意点やコツを参考にすれば、空き家マンションでも高く安心して売却できるはずです。