住まなくなった一戸建て、売るか貸すか・・・。どちらの選択が最適か迷う人は少なくありません。売却すればまとまった現金を得られますし、賃貸に出せば毎月の安定した収入が得られます。
この記事では、2025年の最新情報を踏まえて、一戸建てを売る場合と貸す場合のメリット・デメリットを徹底解説します。売却時に発生する税金や仲介手数料、賃貸で必要な管理費用などもわかりやすく紹介し、判断材料を幅広くお届けします。
賢い選択のヒントをしっかりお伝えします。
目次
一戸建てを売るか貸すか迷った時の判断ポイント
一戸建てを売るか貸すかを考える際は、自分のライフプランや資金計画を整理することが大切です。
例えば、新しい住まいへの引越しや住宅ローン返済など、今後必要な資金を見据えて判断しましょう。
また、住宅ローンが残っている場合は売却で完済するメリットがありますが、賃貸の場合はローン返済と同時に家賃収入が得られるため、資金繰りを比較します。
ライフプランと資金計画
将来の生活設計と必要資金は、売る・貸すを決める大きな要素です。
例えば、遠方への転勤や家庭の事情で当面住む予定がないなら売却で現金化し、次の住まい資金に充てることも考えられます。
一方、老後資金や老朽化対策として長期的な収入源が欲しいなら賃貸経営を選ぶケースもあります。
住宅ローンと税金の状況
住宅ローンの残高が多い場合は、売却して一括返済できるメリットがあります。
ローン残債がほぼなく資金に余裕があれば、賃貸管理に回すという選択も可能です。
税金面でも違いが出ます。売却すると譲渡所得税の対象になりますが、居住用財産なら最大3,000万円の特別控除が使えます。
賃貸に回すと家賃収入に対する所得税・住民税が課税されるため、税負担も比較検討しましょう。
物件の立地・状態と資産価値
物件の立地や築年数、状態によっても判断基準は変わります。
都心や人気エリアの物件は売却価格が高くなりやすいため売り時を逃さないほうが良い場合があります。
築浅の一戸建ては高値で売れやすく、売却メリットが大きいです。一方、築年数が経った物件は修繕費が増えるため、賃貸にして年間収支を回収していく選択も考えられます。
不動産市場の動向
2025年現在、不動産価格は堅調に推移しています。
好立地では相場が上昇傾向にあり、売却タイミングとしては有利です。ただし、金利上昇が続くと将来的に買い手が減る可能性もあるため、市場の動向を注視します。
賃貸市場では東京など大都市圏で需要が高く、空室リスクが低いエリアもあります。地域別の家賃相場や将来的な需要予測も確認しておきましょう。
売却する場合のメリット・デメリット
一戸建てを売却する場合、主なメリットとデメリットを押さえておくことが大切です。
売却では一度に大きな資金を手に入れる反面、固定資産がなくなるため将来の安定収入源を失うという側面があります。
ここでは売却の長所・短所と、手続き上のポイントを整理します。
売却のメリット
- まとまった資金が得られ、住宅ローンの返済や次の住まいの購入資金に充てられる
- 物件の管理や修繕義務から解放され、維持費(固定資産税・修繕費等)を節約できる
- 築年数の浅い物件や好立地なら高値で売却しやすく、価値が下がる前に売って利益を確定できる
売却すると大きな現金が手に入り、経済的に余裕が生まれます。住宅ローンが残っている場合でも売却資金で完済でき、残りを手元資金として新生活に活用できます。
また、投資商品の運用や子どもの教育資金などにあてることも可能です。管理の手間がなくなるので、老朽化に伴う修繕費や空き家リスクの心配も不要になります。
売却のデメリット
- 物件を売ると毎月の家賃収入などの安定した収入源を失う
- 将来また住みたくなった場合、新たに物件を購入するための追加コストが必要になる
- 売却後は住まいを所有しないため相続財産が減少し、資産形成上の機会損失になる場合がある
デメリットとしては、一度売却してしまうと所有物件がなくなるため、将来の賃料収入を得られなくなります。その家を使って新たな投資を考えていた場合、選択肢が制限されてしまいます。
また、市場価格が思ったより下がった場合は、期待より低い金額で手放すことになりかねません。さらに、売却後に急な住まいのニーズが生じた時には、再購入の手間と費用がかかります。
売却にかかる費用と手続き
不動産を売却する際には、以下のような費用と手続きが必要です。
仲介を依頼する場合、不動産会社への仲介手数料(売却価格の約3%+6万円)が発生します。加えて、住宅ローンがある場合は抵当権抹消手続きに司法書士報酬や登録免許税がかかります。
売却価格が高ければ、譲渡所得税の負担も出てきますが、居住用財産の売却なら3,000万円特別控除により税負担が軽減されます。その他、売買契約書に貼る印紙税なども発生するので、売却総額の数%程度のコストが掛かる点を事前に見込んでおきましょう。
賃貸する場合のメリット・デメリット
一戸建てを賃貸に出す場合にも、多くの検討要素があります。
賃貸は定期的な収入が得られる一方で、管理責任や空室リスクが伴います。ここでは賃貸運用のメリット・デメリットと、必要な手続き・費用についてまとめます。
賃貸のメリット
- 毎月家賃収入を得られ、中長期的な資金の柱になる
- 物件を売らずに資産として保有し続けることができる
- 将来的に地価や家賃相場が上昇すれば、家賃収入が増える可能性がある
賃貸に出す最大のメリットは、安定した家賃収入が得られることです。たとえば家賃13万円の物件なら年収156万円の収入源になり、住宅ローンが残っていても毎月の返済に充てつつプラス収入になる可能性があります。
また、物件を所有し続けることで、将来の資産価値上昇を見込める場合があります。税法上でも、賃貸物件は減価償却費を経費計上でき、所得税対策になる場合があります。
賃貸のデメリット
- 空室リスクがあり、入居者がいない期間は収入がゼロでも固定費用(固定資産税・ローンなど)が発生する
- 建物の劣化・修繕は貸主の負担となり、長期的に維持費がかかる
- 賃貸管理会社に委託すると管理手数料(家賃の5~10%)が必要になる
- 相続税評価では借地借家等が適用されにくく、資産評価が下がりづらい(評価上不利になることがある)
賃貸の注意点は、空室や家賃滞納リスクです。人を入れられなければ収入が得られない一方で、節税用に空にしておくことはできません。また、長期間人が住むとキズや汚損があり、原状回復費用が追加でかかることもあります。
加えて、賃貸経営では管理や清掃、クレーム対応など手間が発生します。不動産管理会社を利用する際には毎月の管理費用が家賃の5~10%程度かかります。このほか、居住用に比べ固定資産税の税率が高くなる場合もあるため、支出面の検討が必要です。
賃貸運営に必要な手続き・費用
賃貸に出すには事前準備と諸経費も必要です。
まず、設備(キッチン、バス、トイレなど)や居室の修繕・クリーニングを行い、入居者を呼び込める状態にする必要があります。また、鍵交換や火災保険加入などの初期費用も考慮しましょう。
賃貸契約では入居者募集の広告費や仲介手数料が発生します。管理会社に委託する場合は、毎月の家賃収入に対して5~10%程度の管理手数料が継続的にかかります。さらに、空室期間を想定した資金計画も必要です。家賃収入が途切れた時に備え、家賃保証サービスの利用を検討する貸主も増えています。
売却と賃貸の収支比較
売却と賃貸では収益構造が大きく異なります。ここでは例を挙げて収支イメージを比較します。
売却時の収支シミュレーション
例えば、一戸建てを3,000万円で売却したケースを考えます。
この場合、仲介手数料や抵当権抹消費用、印紙税などに合計300万円を支払ったとしましょう。
売却代金3,000万円-費用300万円=2,700万円が手取りとなります。
仮に譲渡所得が発生した場合でも、居住用特別控除(3,000万円)を超えなければ税負担が軽減されます。
賃貸時の収支シミュレーション
同じ物件を年家賃160万円(毎月約13万円)で賃貸に出した場合を考えます。
ここから固定資産税・都市計画税や管理費、修繕積立金など年間合計20万円が必要とします。
残った年143万円が概算の家賃収入になります。これが毎年継続すると仮定すると、5年で約715万円、10年で約1,430万円の収入となります。
もちろん空室時は収入が減る点や、入居者交代時の募集費用も想定する必要があります。
収支比較表
| 項目 | 売却 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 想定収入 | 3,000万円(1回) | 年間約160万円 |
| 想定コスト | 仲介手数料・税金等 約300万円 | 固定資産税・管理費等 約20万円/年 |
| 税金・控除 | 居住用売却なら3,000万円控除適用 譲渡税も軽減可 |
家賃収入に所得税・住民税が課税 |
| 収支概算 | 約2,700万円(1回) | 年間約140万円(継続) |
| メリット・注意点 | 即時に大金を確保、再投資可能 | 長期安定収入、空室・手間のリスク |
上表に示したように、売却は一括で大きなキャッシュを得られるのが特徴です。一方、賃貸は年間の収入は少なくとも、継続的に得られる点が利点です。
選択にあたっては、即時資金ニーズか長期収益か、自身の投資計画で判断しましょう。
まとめ
一戸建てを「売るか貸すか」を選ぶ決断は、個々の状況によって最適解が異なります。
売却するとまとまった資金を得られ、住宅ローンの返済や他の投資に回せるメリットがあります。一方、賃貸すれば毎月の家賃収入を確保でき、物件を資産として保持できます。
判断のポイントは、今後のライフプランや資金計画、物件の状態と市場環境です。どちらを選ぶにせよ、仲介手数料や税金・管理費などのコストを概算してシミュレーションし、専門家に相談しながら納得のいく選択をしましょう。